LLFP 報道・表現の危機を考える弁護士の会

(速報)
  当会主催の第3回シンポジウム 「何を守るためにもの言えぬ社会にするのか」 が2月16日、弁護士会館 (霞ヶ関) で開かれ、 120人が桂敬一立正大学教授の講演や政治家らのパネルディスカッションを熱心に聞いていた。
  このシンポジウムは、今通常国会への提出が伝えられる 「憲法改正国民投票法案」 と 「共謀罪」 について、 表現の自由を軸に考えようという試み。桂敬一立正大学教授のメディアと市民のあり方に関する問題提起を受けて、 松岡徹参議院議員 (民主党)、笠井亮衆議院議員 (共産党)、保坂展人衆議院議員 (社民党) が、 上記2法案に関する国会での状況などについて話した。


  LLFPシンポジウムのお知らせ
何を守るために もの言えぬ社会にするのか?

  米大統領がイラク攻撃は自衛戦争ではなかったことを認め、 相手国を戦場とする戦争に自衛戦争はありえないことが改めて明らかとなった。

  一方、日本では、改憲して他国を戦場とする戦争ができる国とする動きがあり、 そのために、通常国会で憲法改正国民投票法案を審議しようとしている。

  そして、同じ国会で組織犯罪対策という名目を掲げる共謀罪の新設について、2度の廃案にもかかわらず審議がなされる予定だ。

  ビラ配りで情報を伝達しようとした者が逮捕される一方、警察は捜査情報をメディアにすら開示しなくなっている。 批判の動きも弱い。なぜだろうか。第1部では,桂敬一教授がメディアと市民の動向を切り口にその深層に迫る。
  そして、第2部のパネルディスカッションでは、各党の政治家にこのような状況をどのようにとらえ、 どのように舵取りしようとしているのかを聞くとともに、私たち市民がいかに行動するべきなのかを考えたい。

  日 時
    2006年2月16日(木) 午後6:15〜午後8:30 (午後6:05開場)
    入場無料
  場 所
    弁護士会館2階講堂クレオ
      地下鉄霞ヶ関駅 (丸の内線、日比谷線、千代田線)下車、B1-b出口より直通
  内 容
    (1) 問題提起 桂 敬一 立正大学文学部教授 (30分)
    (2) パネルディスカッション (100分)
       @憲法改正国民投票法案について
       A共謀罪について
        [パネラー]
          各党国会議員
           民主党    松岡  徹 参議院議員 
           日本共産党 笠井  亮 衆議院議員 
           社会民主党 保坂展人 衆議院議員 
           自由民主党、公明党 交渉中
          桂 敬一教授
        [コーディネーター]
          梓澤 和幸 弁護士

     主      催  報道・表現の危機を考える弁護士の会
     お問合せ先  東京共同法律事務所 TEL03−3341−3133

共謀罪について
  与党から民主党に示された修正案の条項を入手したのでお伝えします。

  @適用を組織犯罪団体に限定。
  A共謀だけでなく準備行為を要件にした。
との特徴があります。しかし、次の問題があります。

1、実行行為(犯罪)が行われないのに、共謀だけで犯罪が成立する。(共犯従属性の否定)
2、600もの犯罪について適用する。(消費税法違反まで含まれる)
3、越境性がなくても処罰する。

などは、変わっていません。
  ご注意。ご注意。
                                    文責 梓澤

共謀罪修正案  【 】内が修正 (付加) 部分
(組織的な犯罪の共謀)
第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、 団体の活動 【(その共同の目的がこれらの罪又は別表第一に掲げる罪を実行することにある団体である場合に限る。)】 と して、 当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、 【その共謀をした者のいずれかにより共謀に係る犯罪の実行に資する行為が行われた場合において、】 当該各号に定める刑に処する。 ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮
二 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮

2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、第三条第二項に規定する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。



「報道・表現の危機を考える弁護士の会」 は 1月10日、 「放送の公共性の 〈いま〉 を考える全国連絡協議会」 の参加団体とともに、 NHK経営委員長石原邦夫、NHK会長橋本元一、安倍晋三、中川昭一衆議院議員に公開質問状を提出しました。

     NHK会長 橋本元一 宛 質問書
     NHK経営委員長 石原邦夫 宛 質問書
     安倍晋三 内閣官房長官・衆議院議員 宛 質問書
     中川昭一 農林水産大臣・衆議院議員 宛 質問書


別紙の「放送を語る会」の声明
  石原邦夫NHK経営委員長・橋本元一NHK会長宛て 「『ETV2001』番組改変問題に関する公開質問書」
にご賛同頂ける方はメールでご連絡いただくか、この用紙にご記入の上、郵送して下さるようお願いします。
  賛同者名を入れて関係先に送付したり、公開して各界にアピールすることを予定しております。
  声明には住所、肩書き等を省いたお名前のみの表示の予定です。

  賛同をお寄せいただく場合、匿名希望の方はその旨明示して下さい。匿名の方は人数のみ付記することにしております。

  【メールの宛先】 放送を語る会 以下のHPからお願いします。
   http://www.geocities.jp/hoso_katarukai/middle.html
  【郵送先】 〒273-0031 船橋市西船3-7-25 シャトーオリンピア3-B
         放送を語る会事務局  小滝 一志 宛
郵送の場合:別紙PDF文書を印刷して、ご記入下さい → こちら
(お一人でもこの用紙をご利用願います)



 新聞よ
   なぜ権力チェック機能を失ったかを今こそ再点検する時


  (ジャーナリスト神保哲生さんの原稿・東京新聞10月17日夕刊掲載)

  今更言うことでもないかもしれませんが、ジャーナリズムのもっとも重要な役割は権力のチェックです。 とりわけ、絶大な権力が集中する国家権力の監視は、 「それなくしてジャーナリズムに存在価値無し」 と言い切ってもいいほど、 ジャーナリズムの最低限の責務と言っていいでしょう。

  しかし、ジャーナリズム、とりわけその中心的な担い手であるはずの新聞が、 その使命を完全に喪失してしまっているとしか思えないようなできごとが、昨今頻繁に起きています。 特に朝日新聞が報じたNHKへの政治家の圧力問題と、その報道をめぐる市民社会の反応、そして朝日側の事後の対応は、 その冷酷な現実を露わにしたように思います。

  この一件では、取材の過程で朝日側にも多少は詰めの甘さがあったのかもしれません。 しかし、もし仮にことのあらましが政治家側の主張する通りであったとしても、 あの記事には明らかに真実相当性があったと筆者は考えます。 政治家側がNHKを呼びつけたのかNHK側が勝手に来たのかなどのディテールにいくつか不確かな点はあったとしても、 国政に多大な影響力を持つ有力な国会議員が、結果的に言論に介入した疑いが強いと思われる場合、 警鐘を鳴らすことはジャーナリズムとしては当たり前過ぎるくらい当たり前のことです。

  その意味で、今回は他にも不祥事が重なったとはいえ、朝日新聞がこの問題で簡単に自らの非を認めてしまったことは、 ジャーナリズムの将来に重大な禍根を残すことになってしまったと思います。

  このことの萎縮効果は絶大です。 「当事者の証言だけでは、あとで相手が前言を翻した時に反論できない。」 もし今回の教訓が、このような形で今後のジャーナリズムに足枷となってしまえば、とても権力のチェックなど期待できなくなってしまいます。 もともと記者の取材というものは 「私は確かに言論に介入しました」 と書いた書面に捺印をしてもらうような白黒のはっきりした行為ではないからです。

  今回は取材された政治家側が記事の事実関係を否定したとたんに、なぜか朝日側に記事の事実関係の挙証責任を課す風潮が、 社会全体に醸成されてしまいました。多くの市民が 「朝日が証拠を示すべきだ」 と感じていたことは紛れもない事実でしょう。 しかし、これが朝日ならずともジャーナリズム全体にとって危機的な問題であることを、私たちは強く認識する必要があります。

  朝日は取材の結果、権力の濫用があったと判断するに足る十分な理由があったから記事を出した。 これに対して、もし取材を受けた権力側が、それが間違いであると主張するのであれば、 本来その根拠を提示する一義的な責任は権力側にあるはずです。しかし、究極の権力者であるはずの政治家は、証拠は提示せずに 「あれは間違い」 と主張するだけで済まされ、逆に朝日は証拠の提示を求められることになった。

  これは朝日新聞自身がもはや社会の中では膨大な既得権益の受益者として権力側にある存在と認識され、 権力をチェックするどころか、むしろ朝日自身が市民社会からチェックされる対象となってしまったことの反映だと筆者の目には映ります。

  新聞が再販制度や記者クラブ制度、テレビと新聞の同一資本による業際保有 (クロスオーナーシップ) を通じた極度の資本集中等々、 他の業界ではあり得ないような特権的な地位を享受し続けながら、メディアが抱えるさまざまな構造問題には完全に頬被りしたまま、 表面的には善意の権力監視者を装っていることの偽善性を、もはや市民社会はとっくに見抜いているのだと思います。

  これは同時に、既存のジャーナリズムがもはや権力監視機関としての市民社会の付託を失っていることを意味します。 権力が権力をチェックしても、それは市民側から見れば、単なる2つの権力間の縄張り争いにしか見えないということです。

  地球環境問題の分野には予防原則という重要な考え方があります。100%事実関係が証明されていないことでも、 後に重大な結果をもたらす可能性のある問題に対しては、疑いの段階から一定の措置を取っておく必要があるという考え方です。 仮に動かぬ証拠まで掴めていなくても、権力が言論に介入している疑いが高いと信ずるに足る相応の理由があれば、 その段階で警鐘を鳴らすことはジャーナリズムの最低限の責務です。しかし、予防原則に基づく行動が支持されるためには、 その担い手側の動機に一筋の曇りも許されません。ジャーナリズムが権力監視機能を果たし続けるためには、 自らが既得権益や権力の受益者としての地位を求めない覚悟が必要なのです。

  既に既存のジャーナリズムは、権力の監視機能を果たすことが期待されなくなっている。 それこそが、今日の新聞が抱える最大の問題のように思えてならないのです。 (じんぼうてつお)




9月20日にNHKが発表した 「新生プラン」 に対して、「NHK受信料支払い停止運動の会」 から見解が発表されましたので、 転載してご紹介いたします。

「NHK新生プラン」に関する私たちの見解

NHK橋本元一会長宛 申し入れ文書   報道各社宛 文書





2月4日声明にご賛同頂いた方で、メーリングリストへの参加をご希望される方は、
  hzm@tokyokyodo-law.com まで、ご連絡下さい。



報道・表現の危機を考える弁護士の会が作成している、 憲法改正国民投票法案ブックレット 「憲法を決めるのは誰? 戒厳令下の国民投票」 が 7月27日開催されたシンポジウム 「メディアの危機、 憲法の危機」 にあわせて発売されました。

7月27日緊急発売

ブックレットの表紙のキャッチは、

  「改憲が現実のものとなる日が近づいている。
  その日、私たちが手にする憲法は、本当に私たちの民意を反映したものとなっているだろうか。
  現在、検討されている国民投票法案は、私たちが十分に考え、選べる仕組みとはなっていない。
  このままでは、憲法は誰も納得できないものになってしまう

定価 本体900円+税
お求めは 現代人文社 まで




2005年2月4日 報道・表現の危機を考える弁護士の会
「NHK番組改編問題」 に関する声明文

声明文   声明文 (English)


     報道・表現の危機を考える弁護士の会
     Lawyers' League for the Freedom of the Press and the Expression
     連絡先/東京共同法律事務所
     電話/03-3341-3133 FAX/03-3355-0445


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